大学院生活最後の夏休みがやってきた。
せっかくなので、ずっとなんとなく憧れを持っていた真空管アンプの自作に挑戦してみたいと思い、ヘッドホンアンプの実験基板を購入した。今回手に取ったのは、藍パパ氏製作の「CHORO球」シリーズより「転がし屋」。3枚の基板をスタックする構造となっており、真ん中の基板を変えることで複数の真空管を楽しめる設計だ。初心者にはやや難易度が高いように見えるが、じっくり取り組むには丁度良いかもしれない。

基板に関する詳細はこちら↓
https://sites.google.com/view/choro-tube-rollingtube/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
早速部品表を片手に秋葉原を駆け回り、材料を買い漁る。今日は、真空管やコンデンサなど回路を構成する主要な部品を集めた。神田明神の納涼祭の余韻とお盆直前の駆け込み需要で、街は熱気に包まれていた。これぞ夏休み。
まずはメインの真空管とそれに対応するソケットを入手するため、千石電商の2号店に向かった。(ラジデパ内の真空管屋は二つとも定休日だった。)
売り場について尋ねると、「この辺にまとまってるんだけど今あんまり無くてね……ほら、戦争の影響で。」と教えていただいた。
戦争とは、2022年2月から続くロシアのウクライナ侵攻のことである。現在生産されている真空管はロシア製の物が多いそうだ。今回まず使おうとしている12AU7もロシアの工場で生産されたものだった。他にはスロバキア製のものなどもある。どうやら旧共産圏で多く生産されているようだ。

会計を済ませた後、ロシア製真空管について軽く検索をかけ、以下のような情報を得た。
・electro-harmonix, Svetlana といった真空管の主要ブランドの生産拠点がロシアにある
・ロシア政府はウクライナ侵攻に対する経済制裁が課されたことを受け、対抗策として、真空管を含む200品目の輸出禁止令を出した
・現在のロシア以外の主な生産拠点はスロバキア、中国
ここからいくつか疑問を持った。
1. なぜ真空管が輸出禁止品目に含まれたのか。
2. 真空管の生産拠点が旧共産圏に集中しているのはなぜか。
3. 昨今の世界情勢と真空管という一部品にどのような関係があるのか。
そこで、自由工作(ヘッドホンアンプ制作)と並行しつつ、真空管を取り巻く歴史と現在の状況について調べ、この夏の自由研究とすることにした。
〜続く〜
P.S. 買ってきた積層コンの値がよく見たら違った。引き出しの手前と奥での買い間違い、電気街あるあるですね。これもまた一興。